こんにちは!
今日はゴールデンウィーク頃に販売をスタートします“SLASH OVERALLS”をご紹介です。
ジーンズ自体は合理化の国アメリカで生まれ工業生産品として開発、進化して来た衣料ですから極論を言えば誰でも作れるように(もちろんある程度の技術は必要です。)作られているんです。
早い遅いはありますが、工場の縫い子さんが縫っているんです。
100年前から友達のお母さんや近所のおばちゃん達が縫っているんです。
だから誤解を恐れずに言うとジーンズを縫う事自体は凄くないんです。
では何が凄いのか?
裁縫をやっている方にはわかりますが、デニムを縫える事が凄い。
そうなんです。
あの厚いデニム生地を縫える事が凄いんです。
言い換えればミシンが凄くてその縫製環境がある事が凄いんです。
大量生産品であるジーンズは合理化を追求して改良されて来ました。
各部位に応じた専用の特殊ミシンで作られており(雑巾一枚作れないミシンばかりです。)商売を抜きにジーンズを作るだけなら専用のミシンはそこまで必要ありません。
ただしビンテージレプリカを追求して作るとなると話は全く別です。同じ縫製が出来るミシンが必要となります。
もちろん全て工業用のミシンです。一台数百万円、何百キロあるものも必要となります。それが最低でも10種類以上。
全て揃えると1000万は軽く超えます。
型紙(全モデル、全サイズ)、生地、綿糸、レザーパッチ、ピスネーム、ボタン、リベット、バックル。どれひとつとして普通に流通していません。
ジーンズを作る事が凄いのではなく、製作できる環境を持つ事が凄く大変な事なのです。
アパレルに限らず全ての製造業、工業生産品がそうです。
自動車、家電、日用品、文房具、玩具、楽器、スポーツ用品等数え切れません。
どのミシンで縫っているか?
なんて事はどうでもよいのです。
どうやったらあの表情になるか?です。
その為に「ユニオンスペシャルじゃなきゃ駄目だ」と私が判断すれば、何としてもユニオンスペシャルを使用します。ミシンの銘柄が先に来てはいけないと言う事です。
ヴィンテージミシンで縫製してオリジナルと同じになるのであれば、30年前に完成している筈です。
技術職の一つとして考えると、当時と同じミシンで縫っても同じ縫い目にはなりません。
傍目には全く同じに見えますが一度洗濯すれば結果は歴然です。ミシン任せに生地を縫うだけではダメなのです。
SLASH OVERALLSと同じ設備で縫製してもs01xxやs06xxの表情は絶対に出せない。100%出せない。と言う事です。
自分が納得出来るまで何度も何度も繰り返して学んだ事、ジーンズを作ると言う事に費やした時間と執念がSLASH OVERALLSです。
SLASH OVERALLSを最初に見たときに思ったことはLEVISか?です。
90年代の古着ブームを経て、このジーンズ業界で働いている身としては衝撃でした。
リジット状態では想像できないねじれ。
縫製技術がなせる業、それは正確性をは懸け離れた表現方法で、古着を所有している方であれば感じることが出来る顔だと思います。
現在目にすることがほぼ不可能なデットストックから縫製を抽出して作り上げるジーンズとジャケットは。
生産性を考えると、果たしてどの程度のお客様に届くのか?
発売日が決まりましたらお知らせしますので!
お楽しみに!
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